疾患啓発(DTC)研究会

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第11回定例会議録
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●疾患啓発(DTC)研究会 
 第11回定例会(平成28年11月8日開催)
 
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「 患者さんのための疾患や治療に関する情報提供の在り方は?」


このテーマを様々な題材で検討する製薬企業の勉強会である本会は、2011年3月に創立し、年2回開催を積み重ねて今回は11回目の定例会でした。
毎回会場は持ち回りですが、今回は新宿のファイザー株式会社が会場でした。

今回は疾患啓発やその関連に携わる17社28名の社数と参加者を得て、二つの講演と事前に配付した課題についてグループ討議と発表、質疑応答が行われました。

当日の講演の様子を抄録でお知らせします。



◇◆ ミニレクチャー
 「広告に対する各種規制の法的性格 〜表現の自由との関係〜」 ◆◇


ギリアド・サイエンシズ株式会社
法務部ディレクター 加賀美 有一 氏


憲法21条1項(表現の自由)は、立憲民主制の政治過程にとって不可欠の権利として、憲法の人権規定の中でも特に手厚く保護すべきものとされています。これは、表現の自由を封殺してしまうと、政治的意見の表明を含む政治活動ができないため立憲民主制の存続が危ぶまれることになるからです。

もとより、人権は他者の人権と抵触することもあるため、まったく無制限に保障できるものではなく、典型的には各種の法律による規制というかたちで行使できる範囲が調整されます。
そして、表現の自由に対する規制は、

 1. その内容自体を規制する法令
 2. 表現方法を規制する法令
 3. 虚偽の表現または他者を害する表現を規制する法令


に大別できます。

国家により特定の内容の表現が規制される場合、その表現内容を構成する情報は発信の場を完全に封じられてしまうのに対して、特定の表現方法が規制されている場合は、規制されていない表現方法による情報発信の余地が残ります。このため、表現内容自体を規制する場合は、表現方法を規制する場合に比べて、規制をすることにつきより高度な正当化理由が要求されます。

医薬品を含む各種の製品の広告も、一般に憲法21条1項の保護を受けるとされています。したがって、薬機法66条(虚偽誇大広告の禁止)、67条(医薬品の一般人に対する広告の制限)、68条(承認前の医薬品等の広告の禁止)および業界の自主規制による誹謗中傷の禁止は、表現の自由の制限と捉えることができます。そして、68条は上記1の内容規制、67条は2の方法規制、66条および業界の自主規制による誹謗中傷の禁止は3に該当します。

本講演では、表現の自由の規制が内容規制であるか方法規制であるかによる違いを考慮しつつ、特に68条および67条の下で許容される広告活動の範囲を明らかにすることを試みました。


◇◆ 講演 「広報の基本的な考え方と疾患啓発」 ◆◇


総合ピーアール株式会社
代表取締役 執行 敬昌 氏


一般的に広報は「PR」と呼ばれることも多く、広告に近いイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。広報とは企業や団体が、社会から正しく理解され、信頼を得るために行うコミュニケーション活動を指し、広告によるコミュニケーションとは根本的な違いがあります。

もっとも大きな違いは、客観的な事実や情報がコミュニケーションの中心になることと、それが双方向で行われる点にあると思います。広告はどちらかといえば「主観的」な情報を「一方的」に発信することが多いのですが、広報では発信する情報はあくまで「客観的」で、双方向のコミュニケーションが重要となります。

上記を含め、広報の基本となる4つの要素を疾患啓発で行う広報(DTC-PR)で考えてみると次のように言えると考えています。

 1) 事実に基づいた正確な情報
  → 科学的な根拠、エビデンスを提示しているか

 2) 双方向のコミュニケーション
  → メディアをはじめ社会の声に耳を傾けているか

 3) 公共の利益との一致
  → 患者側から見て本当に必要性は高いか

 4) 誠実な対応
  → 副作用などのリスクを含めた中立的な情報の開示になっているか

もちろん、ほとんどの企業は営利団体ですので自分たちの利益を求めるのは当然ですが、広報の世界では自分たちの利益だけでなく、メディアにも有益であり、社会にとっても有益であることが求められます。そのバランスを見極めた上で、疾患啓発に広報を組み入れるかを判断してほしいと思います。


◇◆ グループワーク&総合討議 ◆◇


参加者が3つのグループに分かれ、それぞれのグループで対象となる疾患を想定し、DTC実施期間中に発生したDTCに起用したタレントに関連する不祥事の対応について、3つの課題をもとにディスカッションが行われました。

約1時間のディスカッションを経て、各グループがそれぞれの課題に対するグループの意見を発表・全員で共有しました。各グループの中にはすでに同様な不祥事対応について社内で準備を終えている企業も多く、発表には共通する見解がありました。

課題の一つであるDTC活動にタレントを起用することについては各グループ間で意見が分かれ、今後の各社の課題となることが分かりました。

参加者からは社内に居ては経験できない他社との深い討議にグループワークは有意義であったとの声が出ていました。

★★ お知らせ ★★


疾患啓発(DTC)研究会のホームページを開設しています。
これまでの活動履歴など掲載していますので、是非ご覧ください。
https://k.d.combzmail.jp/t/iqpz/f0dul4v0nqchr5aogsxN2

参加いただくには本会への入会が必要ですので、トップページにあります 入会申込書
必要事項を記入いただき、事務局へ送付願います。

次回の第12回定例会は来年5月頃に開催予定です。会員の皆さまにはご案内します。