疾患啓発(DTC)研究会 第28回定例会
2025年5月24日 開催
2025年度の第28回定例会は、帝人ファーマ株式会社の会場提供のもと、12社25名が参加し盛況のうちに開催されました。冒頭では高橋代表理事による開会の挨拶があり、続いて第1号議案の役員について、第2号議案の2024年度活動報告および会計決算報告、第3号議案の2025年度活動計画および予算案について報告と承認が行われました。その後、特別講演とグループワークが実施されました。
特別講演(前半) 慢性咳嗽の一般論
杏林製薬株式会社の三戸氏が、前半と後半に分けて慢性咳嗽について紹介しました。まず、慢性咳嗽の定義は「8週間以上続く咳」とされ、咳は急性咳嗽(3週間以内)、遷延性咳嗽(3〜8週間)、慢性咳嗽(8週間以上)に分類されます。日本国内には約300万人の慢性咳嗽患者が存在し、そのうち医師に相談したことがあるのは44%、治療に満足していない患者は16%であるという状況が報告されました。
また、難治性慢性咳嗽には、原因が特定され治療しても改善しない「治療抵抗性」と、検査や治療をしても原因がわからない「原因不明」があり、背景には「咳過敏症候群」が潜んでいる可能性も指摘されました。また、患者インタビュー調査からは、咳が生活や仕事、睡眠、感情面に大きな影響を及ぼしていることが明らかになり、「電車で咳が出るのが怖い」「仕事に支障が出る」「夜眠れない」といった悩みが報告されました。
グループワーク
グループワークでは、医師への疾患啓発を通じて患者の治療満足度を向上させることを目的に実施されました。前回のワークで挙げられた医師の課題としては、問診が不十分であること、診断に自信が持てないこと、専門医への紹介タイミングが不明確であることが指摘されました。また、「咳は軽い症状」という認識が根強く、治療の優先度が低いという現状もあります。これらの課題に対して、問診ツールやチェックリストの導入、咳の特徴を可視化する動画や資料の提供、専門医紹介の基準の明確化などの解決策が検討されました。

特別講演(後半) 慢性咳嗽の啓発施策
後半では、DTC施策の背景として「リフヌア」をきっかけにDTCに注力するようになったことが説明されました。実施した施策として、患者向けには啓発サイト「慢性咳嗽ナビ」やセルフチェックリスト、患者体験談パンフレットが紹介され、医師向けには啓発スライドや診療ガイドライン、「慢性咳嗽Quiz」などの教育コンテンツが提供されています。これらの取り組みの成果として、患者の声が社内外の理解を得る鍵となり、医師・患者ともに「咳は軽視されがち」という認識を変える必要があることが再認識されました。また、DTCは「人を動かす」ための地道な取り組みが重要であるとまとめられました。

情報交換会
定例会終了後には記念撮影が行われ、その後お店に移動して情報交換会が開催されました。多くの会員が参加し、当日の講演やグループワークの内容、さらには最近の製薬業界の話題について活発な意見交換が行われました。