疾患啓発(DTC)研究会

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第9回定例会議事録
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●疾患啓発(DTC)研究会 
 第9回定例会(平成27年11月18日開催)
 
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「 患者さんのための疾患や治療に関する情報提供の在り方は?」


このテーマを様々な題材で検討する製薬企業の勉強会である本会は、2011年3月に創立し、年2回開催を積み重ねて今回は第9回の定例会となりました。
会場は持ち回りで、今回は瀟洒なビルにあるアッヴィ合同会社。
疾患啓発やその関連に携われる15社23名の参加者を得て、2講演と課題に基づき活発なグループディスカッションが行われました。

◇◆ DTCテレビ広告は増加傾向 ◆◇


CM総合研究所の山本泰宏氏に「2014年度DTCテレビ広告の考察」をテーマにご講演頂きました。2000年から放映されたED(Erectile Dysfunction)のDTCテレビ広告から現在までのDTCテレビ広告の実施数の推移やその好感度など、それぞれの年次で心に残ったテレビ広告を例に挙げながら、その変遷を解説頂きました。

中でも昨年のテレビ広告を活用したDTCを評価するにあたり、同研究所の消費者調査結果に基づいて、各製薬会社のDTCテレビ広告12銘柄の評価結果を報告頂きました。各テレビ広告が実施された「時間帯」や「オンエア回数」だけでなく、「好感度」や年齢別、性別からみた結果が報告され、視聴者の声を定性的・定量的に理解することの大切さを実感できたのではないでしょうか。

また、放送チャネルの多様化が進んだことから、地上波の広告が減少し、BSでの広告が伸長してきているのも、視聴者の嗜好反映を示した興味深い点でした。

◇◆ メディカルコールセンターの期待される役割 ◆◇


製品の適正使用推進のために多くの製薬企業で「くすり相談」の窓口を設置しています。今回、ティーペック株式会社の我妻誠一氏より、「コールセンターの基本知識とメディカルコールセンターの活用」をテーマに、DTCにおけるコールセンターの役割から成功ポイントまできめ細かにお話し頂きました。

同社が運営する「メディカルコールセンター」は、医師をはじめとする医療スタッフ(保健師・看護師・臨床心理士等)が常勤して、健康・医療等について相談に対応できるコールセンターで、24時間・年中無休で運営されています。月間7万件ほど相談を受けておられ、その利用度合の多い事に参加者は一様に驚いていました。

製薬会社は一般企業と異なり、医療にかかわる関係上、一般の方・患者さんに正しい疾患情報を適切に提供することが望まれます。そのため、DTC実施におけるコールセンター設置の注意点や具体的に高齢者の問い合わせ事例などを紹介・解説頂くことで、コールセンターの設計準備から実施まで、どのポイントが鍵になるか分かりやすくご説明頂きました。

また夜尿症におけるDTCとコールセンター設置による医療機関への受診行動がどう変化したなど実例を交えながらのご講演は、今後のコールセンターの開設を検討するにあたり、非常に参考になるものでした。

◇◆ 講演をテーマにグループディスカッション ◆◇


参加者が4つのグループに分かれ、それぞれのグループで対象となる疾患を想定し、DTC実施に合わせたコールセンター設置について、3つの課題を元にディスカッションが行われました。約1時間のディスカッションを経て、各グループがそれぞれの課題に対するグループの意見を発表・共有いたしました。「健康相談」など、コールセンターがどこまで対応するか、各グループからそれぞれの見解が示されました。もちろん正しい答えは1つではありません。今後コールセンターを検討するにあたり、クリアしてゆくべきポイントが見えてきたのではないでしょうか。