疾患啓発(DTC)研究会

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第10回定例会議録
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●疾患啓発(DTC)研究会 
 第10回定例会(平成28年6月2日開催)
 
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「 患者さんのための疾患や治療に関する情報提供の在り方は?」


このテーマを様々な題材で検討する製薬企業の勉強会である本会は、2011年3月に創立し、年2回開催を積み重ねて今回は10回目の定例会で、創立以来記念すべき5周年を迎えました。

毎回会場は持ち回りですが、今回は日本橋本町の第一三共株式会社。
疾患啓発やその関連に携わる26社52名という過去最高の社数と参加者を得て、二つの講演とそれぞれに質疑応答が行われました。

当日の講演の様子を聴講録でお知らせします。


◇◆ DTC Webマーケティングの可能性 ◆◇


株式会社メディウィル  代表取締役社長 城間 波留人 氏

今日のインターネットを支えているのはGoogleによる検索機能の発達であり、ウェアラブルの進化やAI精度が向上したことによって様々なサービスが登場し応用されている。

4月に開催されたヘルスケアIT2016のシンポジウムでも多くの経営者や研究者が「Personal Health Record」について発言しており、今後のヘルスケア分野では「患者中心」がキーワードとなると考えている。

インターネットの利用環境では医療情報を調べる際に70〜80%の人がインターネットの検索サイトを利用している。その中でもGoogleの情報量は群を抜いている。

主題であるWebマーケティングではコンテンツマーケティングがトレンドであり、コンテンツマーケティングを行うにあたり重要な事は「ロングテール理論」の援用である。ロングテール理論をコンテンツマーケティングに用い、キーワードツールを活用することを提案したい。Googleの無料サービスで「キーワードプランナー」を使用してはどうか。

現在、メディウィルが運営している「いしゃまち」の事例はコンテンツマーケティングを実践している。ユーザーの潜在的な需要である‘症状’に焦点を当ててユーザー視点のコンテンツを企画し提供している。ユーザーのインターネット検索情報に基づいてキーワードツールを徹底活用している。加えて専門医がそれぞれのコンテンツを監修しており情報の専門性や信頼性の質も高い。

また、文章だけでは伝わりにくい病態の解説をインフォグラフィックで図解して提供することでコンテンツを作る運営体制が試され、月間500万人に利用される成長を「いしゃまち」は見せている。

疾患関連の情報はSNSよりも検索エンジンを介するほうがユーザーには相性が良く、コンテンツマーケティングと患者中心の情報提供は「医療×インターネット」によって疾患啓発に繋がると考える。

◇◆ 医師から見たDTC ◆◇


アッヴィ合同会社
医学統括本部 メディカルアフェアーズ 兼 神経感染症領域部
統括部長 三上 修 氏(医師、医学博士)


DTCが疾患啓発活動の一環として健全に行われるためには企業が高い倫理観とコンプライアンスに基づいた行動が前提として必要である。

三上氏が実施した医師や薬剤師を対象としたアンケートではDTCによる疾患啓発の印象は全体的にポジティブな回答が多く寄せられた。しかしながら、DTCは疾患の理解を促進させる一方、治療の必要のない人の受診増に繋がる可能性もある。

DTCによる疾患啓発には大手総合広告会社も注目しており疾患啓発プランニング支援システムなどのサービス提供を2011年から始めている。
 
昨今の製薬企業のDTC事例を振り返ってみると、適応症と合致しない効能効果を訴求するものや自社データに基づいた表現方法に指摘を受けたものもある。
こうした事例には各専門医の学会や社会からも問題視する声が上がっている。
特に競合企業が存在する場合は、中立かつ公正なDTC疾患啓発活動は難しい。

三上氏の私見としてDTCによる患者さんの受診促進と既に薬物治療を行っている患者さんへの疾患啓発については切り分けて考えるべきである。

また、現在中立かつ公正な運用のために外資系製薬企業を中心にMedical AffairsとMedical Science Liaison (MSL)を積極的に擁する企業が増え、セールス部門とメディカル部門を分けて役割を明確にするように組織が変化している。DTCを行う際には社内でもセールス部門とは独立した他の組織の審査の目が入ること、または社外の第三者の視点も入れての審査を検討していくべきであると考える。

◇◆ 和やかな懇親会 ◆◇


定例会終了後、会場を第一三共株式会社本社地下のレストランに移して懇親会が開催されました。

来賓である「むつき会」代表 信野信之氏による挨拶、同じく来賓である「(一社)くすりの適正使用協議会」事務局長 石橋耕太郎氏の乾杯の音頭のあと、参加者はなごやかに懇親を深めていました。

懇親会への参加者も過去最高の人数で、参加者は口々に当研究会の意義の深さと業界内での情報交換の重要性を話されていました。

参加者を代表して、今回はじめて参加したファイザー株式会社黒澤充氏の中締めの挨拶で懇親会はお開きとなりました。

★★ お知らせ ★★


参加いただくには本会への入会が必要ですので、トップページにあります 入会申込書
必要事項を記入いただき、事務局へ送付願います。

次回の第11回定例会は11月に開催予定です。